
「モノクロ写真って、色を消しただけですよね?」
そう思われることがあります。
でも実は、モノクロは色をなくす作業ではありません。
色ごとの明るさを設計し、人物とバイクの立体感を引き出す表現です。
例えば赤いタンクと青いTシャツ。
カラーでは違う色ですが、モノクロにすると同じような明るさになり、
立体感が失われてしまうことがあります。
だからモノクロでは、赤・オレンジ・黄色・青など、それぞれの色が白と黒のどの明るさになるかを細かく調整していきます。
そのわずかな違いだけで、
顔の表情が生きたり、タンクの曲面が美しく見えたり、
エンジンの質感が際立ったりします。
一見すると小さな違いかもしれません。
でも、その積み重ねが写真全体の空気感を大きく変えてくれます。
私はフィルム時代にモノクロの現像やプリントも経験しました。
当時は情報も少なく、深く追求することはありませんでした。
しかしデジタルになった今、改めてモノクロに向き合うと、その奥深さに驚かされます。
「もっと立体感を出せないか。」
「もっと人物の存在感を引き出せないか。」
そんなことを考えながら、一枚一枚仕上げています。
studio Rideのバイク写真館では、カラーもモノクロも、どちらも一つの作品として丁寧に仕上げています。
何年経っても見返したくなる一枚になるように。
そんな想いで、シャッターを切っています。
良いモノクロ写真は、「白黒だからカッコいい」のではありません。
光と階調を丁寧に積み重ねた先に生まれる、一枚の作品なのだと思っています。
